GARY SNYDER ゲーリー スナイダー

GARY SNYDER

ゲーリースナイダーさんの作品との出会いは、20代初めの頃。

アメリカの大学に通いながら、自分で会社を立ち上げ、ビンテージ古着やスニーカーなど、日本に送るビジネスをスタートさせた。ちょうど、シティライツブックストアとの出会いで、ビートカルチャーに興味を持ち、いろいろ掘り下げていくうちにゲーリースナイダーさんの作品に出会う。

インディアンジュエリー買付の手伝いや、サンタフェ方面の仕事の手伝いをしてた事もあり、ネイティブアメリカンの歴史について興味を持つ、そこで`タートルアイランド`の世界観にどっぷりイク。

特にこのアナサジの詩が好きで、タートルアイランドとは?アナサジとは?ネイティブアメリカンとは?英語で学ぶにはとても心地よかった。詩は原文でもなんとか理解できるし、日本語版がナナオサカキさんっていうのもいい。

当時、ネットも何もない時代、ビジネスしてて、嫌な思いもたくさんしました。最初にやったのに、後でネタを横取りされたり(笑)、もう何でもあり、仁義なき戦いの時代(笑) 長い物には巻かれろ、的な人間が多い中、インディペンデントで続けるにはそれなりに精神的な基準というか、支えというか、書物から学ぶことは多かったですね。スマホがなかったおかげで、自分はビートカルチャーに出会えた。そして`これでいいのだ!`的な、バカボンのパパ的な発想ができるようになった。

ゲーリースナイダーさん、1950年代から今に至るまで、活躍されてる。当時、アレンギンズバーグとも友好が深く、よくビートカルチャーの代表的な人達と一括りにされがちだが、本人はあまり好んでないらしい。グルーピングされるのが嫌みたい。

ケルアックやギンズバーグと比べると、やや地味な印象ではあるが、日本との関わりが深く、禅の教えをアメリカで広めた第1人者でもある。アメリカ版 ZEN はスティーブ・ジョブスも影響を受け、のちのアップル製品にも大きな影響が出たのは有名な話。

個人的には20代より30代、そして40代と歳を重ねていくうちに、どんどんゲーリーの作品に惹かれていく。

トムキリオンとゲーリースナイダーの関係も素敵だ。表紙にトムの作品が多い。トムの本にはゲーリーの詩が多い。

日本語版のこれらの作品は今の世の中にとても響く。パンデミックで世界が変わり、人々の考え方が変わった。

子供たちの明るい未来のためにも、今考えて取り組まないといけない事はたくさんある。

2021年8月、バークレーにて、この方と出会えたのはとても大きな出来事。ゲーリースナイダーさんの古くからの友人で、ベイエリア出版業界のボス。ゲーリースナイダー作品の契約もあり、油断できない世の中ではあるが、思い切って渡米してよかった。やはり`会って話す`ことでイノベーションは生まれる。逆に、パンデミックじゃなければ、会ってくれなかったかもしれない。極東のちっぽけな島国から来た人間、肩書きも冠もないが、情熱だけは人一倍、そこはなんとか伝わったかな。

ウチは服屋で輸入屋、カルチャーも一緒に輸入したい。Tシャツを買ってくれた方に、そのTシャツを通じて、ゲーリーの作品に出会い、興味を持ってもらいたい。

地味で派手さはないが、ジワジワと好きになる。服も本も同じです。