From BE to FENNICA. BEからフェニカへ その2 初オーダー会

2011年 5月、オアハカラグ初のオーダー会が原宿フェニカで行われました。IMG_0557

`NUNO Fennica Fabrics`フェニカで扱ってる`布`テキスタイルにフォーカスしたイベント、世界各地から集められた布を紹介するイベントでした。その1つとしてうちが扱ってるオアハカラグを紹介したい、とオファーを頂いた際、勢いで言ってしまったのが`じゃあ、オーダー会にしましょう!`と。。。。。。(汗)

今だから言えるのですがオファーを頂いたとき、言ってしまった後で`正直オーダー会なんて出来るのかどうか?!`基本的に1枚1枚、ベストのサイズに合わせてラグを織ってるので量産するのも1点1点作るのも同じ事、ただ、織り手にうまく伝わるかどうか、そこが心配でした、、、が、どうせやるならマーケットへのインパクトが必要!そんな気持ちが先走ってしまい、オファーを受けた嬉しさから後先の事は全部吹っ飛んでました!男に二言はなし!!(笑)

オーダー会と言ってもいろいろあります。よくあるのがある程度決まったサンプルから選び、ステップ1から3ぐらいまで、数種類ある中から選ぶトランクショウ、セミオーダー的なオーダー会が一般的です。`しばり`がなさすぎると逆に選べなくなってしまう、そんな中、どうしても一般的な`しばり`を作りたくない、ベストとラグ、というアイテムだけ決めて後は自由に柄や色を選ぶ、`アートを選ぶ、作る`的な要素を取り入れたいと思いました。前例がない分、自由にできる可能性があると信じ、お客様との話し合いで決めていこう!そんな熱い思いだけが先走ってしまいました。。。協力して頂いたスタッフ様には大変迷惑な話だったと思います。。。(謝)

そしてオーダー会の2ヶ月前、東日本大震災がおこります。連日の報道から、とてもじゃないけど買い物に出かける気分にはなれない、このままだとオーダー会も中止かな。。。なんて思ってましたが、こんなときだからこそ、今まで通り平常心でいこう、ということで予定通り開催して頂きました。

通常であれば事前にいろいろ告知するイベント事ですが、震災の影響から、告知も最低限に、、世の中、自粛ムードが漂う中、あまり派手にアピールするのは逆効果かなと。。

NUNO Fennica Fabric、様々なNUNOが集まったイベント、ラオスや北欧の美しく繊細なテキスタイル達、そんなイベントのトリをつとめさせて頂いたのがうちの`オアハカラグ`最終週、土日の2日間、様々なお客様がいらっしゃいました。お店にたたせて頂いたのですが、凄く刺激的!興味を持って来て頂いてるお客様、スタッフ様がほとんどだったのでいろいろ説明させて頂き、質問にもお答えし、答えられない質問は宿題として勉強の糧になり、改めて自分自身を知る良い機会になりました。まだまだ伸びしろはあります(笑)

そして、思ったのは皆さん、潜在意識の中に中南米の文化に興味がある事(笑)ちょっと大げさですが、1990年代、`渋カジ`の洗礼を受けた人たちが多い事(笑)かつてオルテガやチマヨ、アメリカ、ニューメキシコ州を中心とした`サンタフェスタイル`ブーム、`ラルフローレン`ブーム`ビンテージ`ブーム、そういうのを通過した人たちがいまこの`オアハカラグ`をみて心に響かないことはないでしょう!自分もそんな一人です。よく一緒にされがちなチマヨラグとナバホラグ、基本的に別物。チマヨラグは現地で`スパニッシュラグ`とか呼ばれてます。しかし、どちらかと言えばナバホラグの方がオアハカラグに近い(祖先のルーツ的に)のかも、、、、基本的に比べる対象にはならないですけどね。ただはっきり言えるのはアメリカ、カリフォルニアの文化を通じてみるメキシコ、オアハカがカッコいいのは間違いないです。逆にメキシコからアメリカ、カリフォルニアを見るとまた違った見え方がするのでしょうね。

そして初回オーダー会で生まれたベストたちがこちら

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こちらはエリスさん個人オーダー、基本の`カラコル`に`1968`(様々な事がおこった1968年がテーマだったので)特にこの`グリーン`が重要で、なんどもなんどもグリーンの色目について、念を押されたのが記憶に残ってます(笑)このグリーンの色目は`Terry`s Green, Terry`s Verde `と名付けました(笑)限りなくミリタリーのオリーブドラブに近いのですが、そこまで濃すぎない、自然染色のナチュラル感がよく出てる、原毛の色を大事にしながら最低限の染料(おそらくウィサーチェの黒とアムスコの黄色を混ぜてる)で染められたものだと思います

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そして名作`ダブルクロス`上はコチニールの赤にTerry`s Green, 下はインディゴの組み合わせ。 初回オーダー会、ベストサンプルが少なく、現物のラグや資料を見ながらのオーダー、逆にイマジネーションが膨らみましたね(笑)普段あまり使わない脳ミソの左側をフル回転、あーでもない、こーでもない、とお客様との話も盛り上がる、そんな中、お店に立って頂いたエリスさんが北村さんのベストを提案、たまたまあったダブルクロスのラグ、サイズがちょうど60X100cm、XSサイズの着丈が58cmなので、ほぼXSサイズのラグを作るときに織るサイズと同じ、そのラグをくるっと丸めて身幅を調整したら柄がバッチリ!バックセンターから両サイド、フロントにくる柄、きれいに収まったのはビックリ!ベストにするとさらに素敵!何とも言えない安定感というか趣というか、偶然から生まれた産物って言うのはここまでしっくりくる物なのか?!これって狙って出来るもんじゃない、まさにIMPROVISATION ! まさにJAZZですね!

他にも様々な名作が生まれました。個人様オーダー分なのであまり詳しくは紹介できないのですが、El Trianglo, Redondo, Cuadrado,  直訳するとマルさんかく四角、こちらも名作でしたね〜〜 オーダー頂いたご本人、水墨画の心得がある方で世界に共通する言語、記号の一つ、マルサンカクシカクを絶妙なバランスで取り入れたラグベスト、一見、何かトラディショナルなモチーフに見える、抽象的かつバランスが良い、禅味溢れるシンプルかつ力強いデザインに落とし込まれました。ちなみにこのベストを見て、直接ご本人からお話をきいたS川さん、ポーッとうっとり、赤くなり(笑)同じ柄を色違いでオーダーされたのはここだけの話です(笑)

`へのへのもへじ`も名作ですね〜〜 伝えるのが大変だった。。。2012年5月、第2回目のオーダー会、最終日、閉店後、何やらカウンターの奥で盛り上がる2人、、、あーだ、こーだと話が聞こえる中`へのへのもへじ`のフレーズがやたら聞こえてくるので心配になって(笑)話し合いに参加したところ、なんか凄いことになってて。。どうやって伝えようか、一生懸命辞書を引きながら、言葉を選び、なんとか思いが伝わったのか、仕上がってきた作品を見て驚き!これを着こなせるのは発案者のM-Chanしかいません!!  そのときはピンとこなく、後で調べていくうちに、染織家、柚木沙弥郎さん、かなりのメキシコフォークロアクラフトコレクター、特にオアハカのクラフトに影響を受けてた、そんな柚木さんのデザインを落とし込む、オアハカから日本に、そしてまたオアハカに行き、日本にきた、そんなユニークな経緯を持つベストです。

興味のある方、是非フェニカスタッフの皆さんに聞いてみてください。フレンドリーかつ商品知識の深い方々なので面白い話が聞けると思いますよ。