A-2とAN-J-3A HORSEHIDE… 馬革好きにはたまらないジャケット達。。。
A-2、それはフライトジャケットの代名詞的存在。1931年、US ARMY AIR CORPはA-1ジャケット(ボタンフロント、リブ襟のプロトタイプ)の後継として、A-2ジャケットを採用しました。ジップアップ、スナップボタン付きの襟とポケット、限りなく`シャツ`に近いジャケット、シンプルかつ洗練されたデザイン。当時15〜6歳頃、ちょうど洋服に興味を持ち始め、地元神戸の高架下や大阪ミナミ、アメリカ村とヨーロッパ村(今もこういう呼び方するかわかりませんが、御堂筋を挟んでアメリカ村、ヨーロッパ村と呼んでました)のお店をいろいろ回ってた頃、バブル経済末期、タンクトップにゴールドネックレス、イタリア物のデニム、B−3の出来損ないみたいな変なシープスキンのジャケット、ぺったんこの靴にセカンドバック、気持ち悪いくるっとした前髪、そんなファッションが一般的だった世の中、、、どうしてもそういうスタイルに馴染めず、自分なりのスタイルを探すべく、神戸高架下のタイガーズブラザーズというお店でみたインポート物のWILLIS&GEIGERのA-2に衝撃を受けました。なんてシンプルでカッコいい革ジャン!しかし、10代の若造に格好良く着こなせる訳がなく、金銭的にも手が届くはずがない、欲しくても買えないので一生懸命、いろいろ調べる事に。そんなときに出会った本がこちら
はい、こっちのほう行っちゃった訳です。。(笑)当時、1990年か91年頃、 A-2が欲しくても買えないのでとりあえず本でも買ってみようと、神戸三宮で一番でかい本屋、ジュンク堂に探しにいって買ったのがこの2冊。左はリアルマッコイズ岡本氏のイラスト表紙です。調べていくうちにどんどんハマっていってビンテージ品が欲しくなったけど、当時、程度の良い物は20〜30万ぐらいしてて、とてもじゃないけど無理。。。リアルマッコイズのA-2が神戸でも買えるようになって(高架下のNYLONが一番充実してましたね)ライダースの方にも興味が出てきて(ライダースJKTにもどっぷりハマりましたね。Leather TogsやBUCOが有名ですが個人的にはBECK 333のシングルポケット、ブラウンホースハイドがベストだと思ってます。またライダースに関しては後日、書きたいと思います)ちょうど渡米のタイミングが重なって結局、アメリカでWILLS&GEIGERの古着(軍物ではなく、現行品の中古を見つけました)を購入、しかし、ちょっと大きかったので手放してしまいました。。。
そして帰国後、リアルマッコイズがなくなり、BUZZ RICKSONSがフライトジャケットの代名詞になり、手に入れたのがこちら
BUZZ RICKSONSでもクオリティーの高い`実名復刻`いくつかあるA-2生産会社の中でも一番好きなのが`ROUGH WEAR ラフウェア`特にこの戦前モデル、袖リブにステッチが入り、ジッパーも`HOOKLESS`、自分の中でBEST OF A-2なんです。J.A.Doubowも捨てがたいですが襟のデザインは台襟付き、やや小さめ襟のラフウェアが一番好きですね。A-2のポイントは襟だと思います。シャツに近いジャケットなのでジャストサイズが基本、インナーにはシンプルなBDシャツやシャンブレーシャツ、寒いときにはオアハカラグのベストを重ねて、ボトムスはジーンズかチノパン、たまにベーカーパンツ。多分、死ぬまで変わらないでしょう(笑)
そして、今欲しいのがこちら
はい、同じ写真です(笑)左のAN-J-3A 。 1943年、US ARMYとNAVYがフライトジャケットの共通化を狙いARMYのA、NAVYのN、JacketのJでAN-J-3、A-2の後継として決定したのに当時、レザーの供給が不足気味、INTERMIDIATE ZONE のB-10など布製のジャケットが登場、影の薄い存在となった幻のジャケット。G-1の初期M-422A、いわゆる`大戦中G-1`の同サイズと比べ着丈が1インチ短く、明らかにA-2より。一般的な日本人体型にはベストなバランスです。US ARMY とNAVY共同開発のANシリーズには名作が多く、その中でも限りなくA-2に近いG-1がこのAN-J-3A。ブラッドチッドで有名な義勇軍、フライングタイガーもA-2を着た陸軍上がりとG-1(M-422A)を着た海軍上がり、中にはAN-J-3Aを来てた兵もいたでしょうね。
A-2はホースハイド、G-1(M422A)はゴートスキンを使用、このAN-J-3Aも生産会社によって両方存在してましたが、ホースハイドで生産してたのはMonarh(モナーク)社とWILLIS & GEIGER社のみ。
1931年から正式採用されたA-2、41年のアメリカが世界大戦に参戦から増産を余儀なくされ、ホースハイドのみならずゴートスキン、カウハイド、まれに士官クラスのオーダーでディアスキンなんかもあったそうです。そして43年にAN-J-3にバトンタッチ。そんな時代背景から、革不足で染色前、ナチュラルレザー(ヌメ革)のA-2やAN-J-3Aが存在、経年変化でどんどん色が濃くなっていく。。。兵士達はエイジングを楽しんでたのかもしれませんね。
第2次大戦が終わってもレザーフライトジャケットの愛好者は多く、朝鮮戦争ぐらいまで実際に活躍してたそうです。
まあ、うんちくはともあれ、このAN-J-3A、、、ナチュラル`ヌメ革`ホースハイド、、、予約必須ですよ!