大自然を満喫した後はアートに
前からいきたかったところで興奮気味(笑) エントランスにはラリーレバン`パラダイスガレージ`の音源が! 80年代NYを代表するアーティスト、キースへリングの作品のみを展示する美術館、おそらく世界でもここだけだと思います。 キースの作品は都会的、80年代NYを象徴する、経済的社会的に不安と闇のNYでしたがストリートは活気がありました。様々なカルチャーが生まれた時代、特に音楽、HIP HOPとNY PUNKでしょうか。若者のエネルギーとやり場のない欲求がDRUGと音楽で発散されてた時代、そしてエイズパニック、たくさんのアーティストが亡くなった時代でもあります。キースも若干31歳、1990年にエイズでこの世を去りました。
彼の作品はSEXやホモセクシャル、性器をモチーフにした表現もありますが、晩年の作品はアーティストとして認知されてきて、社会的な風刺の物も多数見られます。
個人的に一番好きなキースの作品は1980〜83年頃、NY地下鉄、使われてない広告スペース、黒いスペースにチョークで書いた通称`サブウェイ ドローイング`と呼ばれるグラフィティアートです。黒地に白チョークのシンプルな作品、ここからキースのアーティストとしての才能が開花、見た事のないコミカルな作品が道行く人々を楽しませてくれました。
自分が初めて行ったNY、1994年夏、まだNYの治安はそんなに良くなく、イーストビレッジのAVE A,B,Cなど、アルファベットシティには近づいてはいけないとか、夜の地下鉄は乗ってはいけないとか、色々いわれてましたが、20歳そこそこの若者にはそんなの聞こえるはずがなく(笑)とにかく、欲求の赴くまま、マンハッタンを右往左往してました。
それから定期的にNYにいくようになり、95年だったかな?!現地のニュースでキースへリングのサブウェイ ドローイング、80〜83年頃、実際に書かれた黒板がクリスティーズかサザビーズのオークションに数点出品され、全て日本人が買ったと、NY1のニュースでやってて`へぇ〜〜 バブル期の美術品買い漁りみたいなことするな〜〜 でもキースへリングに目を付ける辺りがなんか好感持てるな〜〜`と、何となく覚えてて、その実物が実際に見れたのが感動しました!! 黒い黒板にチョークで書かれただけのシンプルな絵、キース初期の作品で彼の純粋に`みんなを楽しませたい`気持ちが伝わってくる感じがしました。何の迷いもないチョークで書かれた線、短時間で書かれた、直感だけで書かれた`キースへリング`アーティストとして、荒削りなかっこよさを感じる作品です。アーティストとして認められ始めた頃、スタジオ54に毎晩のように通い、アンディウォーホールやバスキアたちと交流を深め、成熟していく段階も興味深いです。東京原宿にあったPOP SHOPのこと、表参道でのドローイング、どれもこれも興味深い展示でした。
自分自身が感じた1994〜5年頃のNYストリートシーン、80年代後半から盛り上がってたクラブカルチャーも絶好調!特にハウスとHIP HOPは凄かったですね!土曜日のTUNNEL、ファンクマスターフレックス、酸欠になるんじゃないか、っていうぐらい人が入ってて、天井の高い、レンガ作りの古い建物にファンクマスターフレックスのDJ、凄かったです!ハウスはトワイロのハードハウスとサウンドファクトリーのガレージハウス、前者はゲイばっかりでしたね、白人の上半身裸率高かったです。後者は自分の好みにバッチリあった、パラダイスガレージの流れを汲む、DJもリトル ルイベガやケニードープなど、後のBODY & SOUL (1996年からスタート、夕方から始まって夜中には終わる、今までのスタイルとは異なるパーティ、DJはダニークリビット、フランソワK、ジョークラウゼルの3人)につながっていく、、、書いてたらきりがないのでこの辺でやめときます。。。しかし、面白い、衝撃的なNYでした。
94年夏からしばらく、NYで定宿だったHOTEL SEVENTEEN
当時、エネルギーは有り余るほどあったけど、金がなかった(笑) LAに住んでてNYにいく際、一番安いチケット(深夜便やシカゴ経由など)で行ってましたね。TWAが安かったのでよく利用してました。JFK空港のターミナル、エーロサリネーンデザインがかっこ良かったですね。とにかく買物したかったのでホテル代、交通費は節約、予約も何もなしでNY行って、イーストビレッジのとあるレコード屋で聞いて泊まったのがこのホテルセブンティーン。17丁目、2AVEと3AVEの間にあり、Weekly, Monthly, と長期滞在が可能。最初は1週間$300でしたね。風呂トイレは共同、シングルベット1個の狭い部屋でしたが寝るだけだったので十分。今思えば写真のようなドラッグクイーンがたくさんいましたね。でも彼女(彼)らは夜出かけてるので夜は静かでしたよ(笑) 2000年ぐらいまで泊まってましたが年々綺麗になり、値段も上がってきて、96年ぐらいにはWeekly, Monthly料金がなくなり、普通のホテルになってましたね。場所が良いだけに(ユニオンスクエアの近く)利用客も増えたのでしょうね。80年代後半から90年代中盤のホテルセブンティーン写真集があったので思わず、懐かしくて買ってしまいました。顔見知りになったフロントのにーちゃんも写ってました(笑)
話がそれてしまったので、キースへリングミュージアムに戻します。
なんとなく、キースの作品って、今見ると、アフリカンバティックの模様のような、、そんな気がしてくるのです。他にもドットを多用してるものとか、色合いとか、ネイティブな雰囲気がするのです。
まさかキースへリングミュージアムでKAMIが見れるとはおもいませんでした!2002年、中目黒にオフィスを構えた際、街中でよく見かけたグラフティ。ゲリラ的に書かれたものではなく、ちゃんとしたプロセスを経て書かれたもので、よく通る道にあり、何となく気に入ってて、それが中目黒を中心に活動してるアーティスト`KAMI`の物だと後から知りました。こうやって青空、大自然の中で観る壁画、MURALは60年代のメキシコ壁画運動を彷彿させる、迫力がありますね!工事中も楽しませてくれる、そんなキースへリングミュージアム、リニューアルが楽しみです!