はい、サンフランシスコからオアハカへ、いつものコースですがいつもと違うのはBARRO、バロ、POTTERY、焼き物の街を廻ったことです。前回、テリーエリスさんと一緒にいって焼き物に目覚めてしまったのであります(笑)もっともっと知りたくなったのであります。原始的な力強さに惹かれてるのであります。
まず、メキシコの焼き物と聞いて真っ先にイメージするのがBarro Negro, Black Pottery。真っ黒な陶器、メキシコを代表する陶器といっても過言ではない、世界的にコレクターも多い陶器です。 オアハカ市内から南へ、サンバルトロ コヨペテックが最も有名な産地です。
モンテアルバンに代表されるこの地域の遺跡から出土される陶器(土器)たちは皆この地方独特のBlack Cley、黒い土を使った土器でした。実際に使用されてた土器たちはみなグレーっぽい、メタリックな色合いでしたが1900年初頭、Dona Rossaさんという一人の女性がこの土を使い、焼きの温度を調整し、世界で初めて`黒い陶器`を作りました。ナチュラルな黒、磨けば艶がまし、世界中にその陶器は知れ渡り、Barro Neguro, Black Pottery = Dona Rosa ブラックポータリーと言えばオアハカのドーニャロッサ、と、代名詞的な存在になっていきます。 実際、現在でもドーニャロッサさん(1990年代初頭に他界されました)のお孫さんが工房を引き継ぎ、素晴らしい作品が作られてます。村の産業として確立されました。
ブラックポータリーは実際、焼きの温度が低いので実用には向いてません。水もダメですし、どちらかと言えば観賞用です。なので細かい技術(穴をあけた模様など)やいかにナチュラルで艶のある`黒`を表現できるか、など日々技術は進化してます。実際、大きな物や柄の細かい物は世界中のコレクター達が探してます。
セニョール アマンド。たくさんいるPOTTERの一人ですが、なんか孤高の存在というか、一匹狼的な存在と言うか、市場でも一番端っこに出店してて話をしたら窯を見せてくれるとのことでいってきました。
そんなに温度は高くなく、時間も短くていいのでガスで焼いてます。900°ぐらいが一番黒くなるとのこと、1050°以上だととけてしまう、温度を高くしすぎないように、厚みや形でいかに黒く焼き上げるかがポイントだと。いろいろ作品を見せて頂きましたが、一般的に好まれる`黒い`ものより、古代遺跡から出土される`メタリックグレー`色に惹かれます。。。Matte, Metaricoと呼ばれるもので実用性という意味では良いのですがやはり黒くて艶があるもの(ドーニャロッサスタイル??)が売れるのであまり作られることがないとのこと。 昔から`メタリックグレー`という色に滅法弱い(笑)のでどうしてもその`グレー`に惹かれてしまうのです。古代の人たちが実際に使ってた、そんなロマンをかき立てられるメタリックグレーな陶器、まさに土器、欲しいですね〜〜 作って頂きましょうか!シンプルな物で良いのです。古代のピラミッドで使われてた、そんなイメージな土器が欲しいのです!
家族経営の小さな工房。前回、エリスさんと一緒に訪れた工房、ありました!!昔の在庫達!今はほとんど作られなくなった3FOOT!3本足の陶器達。モンテアルバンから出土されてた土器はこのような足付きの物が多く、70年代ぐらいまでは一般的なスタイルでしたが、観賞用としての技術を追求(細かい柄など)していくうち、足が必要なくなり、先の写真のように蔦でできたリングを使うようになりました。現在、作られてる物の多くは底が丸く、模様が細かく、蔦を使って飾るのがほとんどです。このように3本足の物や動物モチーフはあまり見かけなくなったのですが、あるところにはあるんですね!昔ながらの作品を作り続けてる、貴重な工房です。三本足の物は全部買って新たに注文してきました(笑)フェニカでお願いして世界観を出して頂きたいです。
こちらは緑色の釉薬がかかった陶器達。Barro Negroに比べると値段も安く、日常使いに適した陶器達です。市内のレストランでもよく見かけるもので1つ1つ手作り感のある、まさにメキシコ、オアハカの民藝品といった趣です。沖縄や小鹿田、益子、出西など日本の陶器たちのレベルにはかないませんが、素朴な趣、なんか忘れてたものがある、世界の民藝品のひとつとして、フェニカのお客様には確実に響くと思います。
このように屋台で煮込み(ポソレ)を頼むとこの器で出てきます。それほど日常の生活に溶け込んだ、Verde同様、普段使いの陶器です。
初めて行く土地、ガイドブックなどには載ってないので、人づてに道を聞いていきました、が、やっぱり迷いました。。。一本道をどこかで曲がらなければいけなかったのですが、その曲がるところを見失ったようです。。。
しかし、のどかなところだな〜〜と、迷ってはいるものの、あまり悲壮感はなく、まあなんとかなるかな〜〜なんて、のどかな気分にさせれくれる風土があります。そんななか、一人のおじいさんが道で座ってて、道を聞こうと、車をとめて話しかけたのですが、うまく言葉が通じず、おじいさんなのでモゴモゴと何いってるのか全くわからず、身振り手振りで`赤い焼き物を探してるんだよ`と、そしたら車に乗ってきて、案内してやると!?どうやらタクシーと勘違いされたっぽいんですよ。。。タクシーって言ったかな?!?
まあ、おじいさんのおかげで目的地の村に到着、ちょうど村の中心でおじいさんをおろし、記念撮影してたらなにやら奥に人影が、、、
下車した場所がどうやら村唯一の交通手段、乗合タクシー乗り場だったらしく、おじいさんを乗せてきたのでタクシーと勘違いされて、女性の方2人がやってきました。
そして車に乗ってしまう訳です(笑) なんと、この女性達、村でも有名なPOTTER組合の方達だったんですよ!!ビックリしました! おじいさんをおろして、この2人が近づいてきて`どこそこにいってくれ`っていうので`タクシーじゃなく、赤いポッターを探しにきたんだよ`というと`私たち、この村の女性ポッター組合(男性は主に外で農作業、作陶は女性の仕事なんだとか)のリーダーだよ`と!早速いきます!!すぐにいきます!!どこでもいきます!!
なんだろう、凄く女性的なフォルムというか、丸みが優しいというか、使うことを前提に作られてるというか、美しいんですよ、丸みを帯びた形が!!バロネグロのような芸術性はないですが、生活に根付いてる部分では先のベルデ同様`使ってみたいな`と思わせる、そんな素朴な陶器たちです。特にポットや壷、ジュースなどを入れるのに最適な、暑くて乾燥した土地ならではの焼き物、写真には写ってないですが楕円形の平皿があってフルーツを盛るには最適な(実際、作り手の方もフルーツ用だと)、この赤土の色が果物の色彩をさらに引き立てる、そんな素朴な土の色そのものの陶器達、模様や色がついてない、素の姿、な〜〜んか良いですよね、何が良いの?と聞かれても困りますが(笑)実際、値段を付けて販売するにしても、そんなに高いものではないので、是非生活の中にこんな素朴な陶器を取り入れてみても面白いのではないでしょうか? こつこつ集めてフェニカで販売お願いしたいと思います!(願!)よろしくお願いします!(願!)
追記:後で知ったのですが、この地方の方々は民族的な宗教観から外部の人間が来るのを拒むそうです。写真も基本的にダメです。なのであのおじいさんと一緒にいったのがよかったのかも、村の人たちに安心感を与えたのかもしれません。ひょっとしたらおじいさんもそう言ってたのかもしれません。写真も快く撮らせてくれたし、素敵な陶器達にも出会えました。`旅`とは`出会い`ですね。心をオープンにしていかないと、素敵な出会いには出会えません。
トップページ、スライドショーにも使ってますが、今回の旅で一番お気に入りの一枚
おじいさんと一緒にドライブした際、おそらくおじいさんの友達と思われる方が写真とって良いかと聞いたところ、快く撮らせて頂きました。乾いた空気、標高が高いので雲が近く、良い写真が撮れたと自己満足してます。